鳥と暮らす日々

バードライフ備忘録

人の楽しみ、鳥の楽しみ

SNSの普及とともに各家庭での飼育環境が比較しやすくなったり、今まで観賞用が主だった生き物が家族同然に愛情や友情をはぐくんでいる昨今の様子を見ていると、実際アンケートを取るわけでもないのでわからないが、いくらか鳥さんたちにとっては生きやすい(より尊重される)世の中になったかなと思います。

というのも、祖母やショップのおじさんなど、年配の方は審美性(体色や体格、希少性)や飼育過程の面白さを特に聞くことが多いからです。
いろんな餌を食べる様子、おもちゃで遊ぶ様子、幼鳥から若鳥、そして成鳥となるまでの過程を追っていくこと。

一方でネットでは気持ちよさそうに水浴びしたり眠っている様子、飼い主さんと楽しく遊ぶと言った信頼関係に関する事象が面白味として語られているという体感です。

もちろん世代に関係なく、何をもって飼育の、あるいは生体の魅力として一緒に暮らしているのかは人それぞれで、結果として人も鳥も幸せならそれでよいと思っています。
ただそこには人と鳥という種別間の感覚差があり、人の幸せが必ずしも鳥の幸せに直結しているとは限らないという懸念が常に存在しているのです。

例えば、人間社会で言うと健康に長生きすることが好ましいと思われますが、鳥が同じことを思っているかと言われたら、それを証明する手立てもありません。
消化にいいと言っておかゆしか与えられず、怪我や誤飲の可能性があるからと一切の娯楽のない、部屋の中でトコトコ歩いているだけの人生だったら、もちろん部屋の中はつまらないし時々連れ出してくれる人に対して好ましく思わずにはいられないでしょう。
もしかしたら鳥は上記になんの疑いも持たず、おやつの存在を知らなければ一生おかゆ(完全食のたとえ)でも構わないのかもしれません。
それは人間の私にはどんなに考えようともわかりえないことです。
が、人間からして「好ましい状態」を強制しなくとも、とりあえず「自分がされて嫌な事」だけは極力減らしてあげたいなというのが正直なところです。

つまり、何がいいたいかと言うと…ちょっと最近は〇〇と言ったらこれ!というものが確立されすぎて、同じものや環境を完全再現できないのは悪なのかと悩んでしまったなぁということです。あとはプライベート(鳥とは直接関係ない)でいろいろ節目があって、ストレスも多いのですが…。
どれだけ私が思い悩もうとも、鳥はそんなのお構いなしと言った様子で出してくれ~とかご機嫌におしゃべりしているのを見て、もっと気楽でいいのかなっと考え直した次第です。
多少身体に悪かろうが人間、ビール飲むときは飲むし。鳥さんだってビールはちょっとまずいですが、似たような楽しみがあったっていいですよね。

ところで人間のお酒やたばこに該当するような嗜好品て、鳥にあるのでしょうか?脂質の多い、種とか…クッキーとか…???
同じ空間で暮らしているのに、案外世界が違いすぎて戸惑いますがそれもまた面白いところですね。